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ミニミニ大作戦
2008-03-28 Fri 07:04

クルマ好きにとって幾つか「必見」という映画がありますが、この邦題「ミニミニ大作戦」原題“The Italian Job”もそのひとつだと思います。製作年が1969年の作品でおよそ40年前の作品を何故今更取り上げるかというと、2003年のリメイク版を観た事とオリジナル版のDVDには未収録だった映像などが含まれてリリースされたからです。オリジナル版はビデオが廃盤になった後、何度もDVD発売のアナウンスがされたにも拘らず発売延期になり2004年に漸くリリースされた待望の作品です。

The_Italian_job1.jpg


2003年のリメイク版はオリジナル版の一部を利用しただけで新作と言っても過言ではないほど内容が異なります。オリジナルが大英帝国VSイタリア的ナショナリズムの強い作品に対し、リメイクでは裏切りによって奪われた金塊を取り戻す復讐劇に置き換えられています。また”The Italian Job”はオリジナルがまさしくイタリアを舞台にしたのに対し、リメイクでは冒頭のベニスでのシーンだけがイタリアで大部分はロスアンゼルスで話が展開します。「イタリアでの仕事」は後に輸送車ごと奪うアイデアとして登場するのみです。
どちらもMINIの宣伝効果を狙った作品という点では“魂胆”は同じですが、作品の根底に流れる精神性はかなり異なるものになっています。
おそらくリメイクがアメリカ人によって製作されたのに対し、オリジナルは英国人が作った映画という事が原因だろうと思われます。実は一般的に英国作品とレヴューで書かれることの多いオリジナルですが、実際は英国の映画陣が米パラマウントから依頼を受けて作った作品で、解説版では「当時の英国映画人はアメリカで仕事がしたいと思っていた」と話しており、この映画ができた経緯を述べています。

リメイクではMINI以外ではアストンマーティン・ヴァンキッシュが登場していますが、如何せん扱いが小さ過ぎて印象に残りません。MINIとカーチェイスする役回りを与えればより効果的に思えるのですが、何故こんな演出になったのかと思えるほど登場の機会が与えられていません。まさかBMWへの配慮からでしょうか。
オリジナルの方はこれでもかと思えるほどミニ(時期的におそらくMk-Ⅱ)以外の名車が登場します。
冒頭のランボルギーニ・ミウラ、チャーリーの愛車アストンマーティンDB4、ジャグァEタイプ、マフィアが乗る3台の黒いフェラーリ・ディノ、イタリア警察のアルファ・ロメオ ジュリア・スーパー(何故か国防色)そして町にウジャウジャいるチンク(笑)
オリジナルは明らかにクルマが好きな人間が作ったものだろう事は明らかです。クルマを撮るために作った映画じゃないのと思っても仕方がないほどの内容ですが、それを壊してしまう辺りも凄いというか…
ミウラはさすがに解体屋から購入したものに差し替えたらしいですが(つまり本物!)、DB4とジャグァは本当に新車を壊したのだそうです。ラストのミニもエンジンレスの解体車。
初めて観る家内はミニ好きな為にミニが山中に落とされる度に「うわぁ」と声を上げていましたが、僕としてはジュリア・スーパーがケチョンケチョンにされてる方が問題(苦笑)

The_Italian_Job2.jpg


しかしミニというクルマのキャラクターにも拠るところが大きいのですが、逃走シーンは実に楽しげで生き物のように走っています。カットがバラバラで只繋いだだけのようなチグハグさがありますがクインシー・ジョーンズの音楽で連続性が出ています。この曲でなければこの映画の楽しさはなかったかも知れません。と、いうくらい重要なのがこの曲です。リメイクではPink Floydの”MONEY”が使用されていますがこれも印象的に挿入されていて良いです。このMoneyはオリジナルではなくGuns N' Rosesの元メンバー等が作ったバンドVelvet Revolverによるカバーなのだそうです。調べてみるとスラッシュのシルクハットは健在でした(笑)

この映画はできるだけ低予算で作る事になっていた為、撮影したカットは全て使う予定だったそうです。しかし削除されたシーンというのはあるもので、その一つが「美しき青きドナウ」を生オーケストラで演奏しているホールで、曲にあわせ三台のミニと三台のパトカーがワルツを踊るというシーン。ところが逃走シーンのスピード感がなくなると使用されませんでした。
このシーンは今回のDVDに収録されていますが、これ単独でCMになりそうな出来栄え。

あと腑に落ちないのが途中でスイスに行かされるローナです。これは伏線なのかと思っているととうとう最後まで彼女が登場する事なく映画は終わります。このDVDを観るまで全く謎だったのが今回の解説で解けます。当初はやはり伏線でラストのピンチで救出に来る役をローナにさせる心算だったようです。救出されたは良いが金塊は奪われそれを取り戻す、というのが続編と考えられていたのだそうです。それがギリギリで変更されたため全く解せないスイス行きになってしまいました。
この続編への流れがリメイク版の元なのかも知れません。

ところでオリジナルの中に流れているのは間違いなく60年代の「空気」でそれが今観るととても新鮮に感じると同時にゆったりしたムードだと思います。最近の映画はとにかくラストまで緊張感の連続で「如何に観客を飽きさせないか」に主眼が置かれている気がするのですが、この映画は弛んでばかりです。リメイク版は娯楽作品として十分楽しめましたが、現代の映画らしい作りで「弛み」がありません。1週間目一杯働いて休日はのんびりしたいと思った時にオリジナルの弛みは見事に心地良いのです。ビール片手にだらだらと観るにはベストな一本だと思います。全体的に煮詰めもあまく突っ込み所が満載ですが、イギリス流のジョークと演出、そしてファッションが素晴らしいのも見物。それがこの映画をオシャレで軽妙なものに仕上げています。60年代のモッズスタイルがこんなにモダンだったと再認識させられました。
映画好きならノエル・カワードの遺作として観るのも手かも知れません。
他にはこのオリジナル版(マイケル・ケイン版ともいう)はあのアニメの名作「ルパン三世カリオストロの城」のモチーフとなったとも言われています。このカリオストロの城は年代が1968年と設定されているそうですが、オリジナルが製作された年代と重なるだけではなく場合によって製作年が1968年と紹介されたこともあり、もしかするとそれで68年と設定された可能性もありますね。
この作品と見比べてみるのも面白いかも知れません。

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この記事のコメント
オリジナル版
見たいんだけど見れてないんですよね。
この記事読んでまた見たくなっちゃいましたよ(笑)
2008-03-29 Sat 21:46 | URL | こ~んず #JalddpaA[ 内容変更]
こ~んずさん
是非観てみてください。
昔に観た時より今の方が断然楽しめたのですが、20年の違いがこんなに差として出た作品はあまりないです。
レンタル版もオリジナルはエディション版になっているので、特典映像を観る事ができますよ。
2008-03-31 Mon 06:37 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
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