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164 PRO-CAR
2009-01-26 Mon 06:24
去年にリリースのニュースと同時に予約したSparkの164 V10 PRO-CARが遂に入荷した、との知らせが入り受け取ってきました。MINICHANPSの164も久し振りの164モデルということもあって一部でかなり盛り上がりましたが(笑)
今回のモデルも珍ラインナップということもあり「果たして本当にリリースするのか」少し疑わしいミニチュアモデルでした。

164procar01.jpg

クオリティーはSparkらしいもので、レジンモデルならではのシャープなスジ彫りやエッチングのモールなど質感が良くできたモデルといえるでしょう。定価が6400円と他のモデルと比較しても若干高いのですが、このようなマイナーモデルでハイクオリティーな製品ならムリからぬプライスでしょう。
ケチをつけるというか残念なのはフロントライトの再現なのですが、実車はスタンダードの164に倣っていますが、モデルの方は何故かクリアカバーの中にあたかもプロジェクターランプが装着されたかのようなモノになっています。クルマの顔ともいえる重要な部分だけに残念。少し角度も立ち過ぎな感もあります。まぁ、この辺は原型を作った人の感覚が出ますのでイロイロいえない部分ですが(笑)

164procar02.jpg

写真で見るとピンクの発色があり、若干蛍光色が含まれていると思われます。

164procar03.jpg

最大の見せ場である3.5ℓ V10エンジンもミッションを含め、かなりそれらしい再現となっています。

164procar04.jpg

今回の164 V10 PRO-CARはマニアックというか、実にSparkならではのセレクトだったと思われます。恐らくこんなマシンが存在していたことすら知られていないマシンで、誰もが飛びつきそうなFerrariなどのマシンとは対極にあるモノだからです。
Alfa Romeoは、戦後にTipo158と159というマシンでF1に参戦しレースの名門たる実力を思う存分見せつけましたが、その後、資金難に陥り76年までF1に参戦することは適いませんでした。
ブラバムとの契約が切れた1979年に自社製シャシーで復活を遂げたAlfa Romeoは179と182にV12エンジン、83年の183からはV8エンジンで戦いますが、信頼性の問題から戦闘力が低いものでした。戦績は83年にAndrea de CesarisがドイツGPと南アフリカGPでマークした2位が最高位で、完走することすら儘ならない状況でした。
85年を最後にF1からは撤退することになるのですが、この85年に164 V10 PRO-CARプロジェクトは始まったといえます。正確に言えば3.5ℓ V10エンジンの開発がこの時、決定したのです。このエンジンはリジェのF1マシンに供給する予定でした。85年頃というとターボ全盛の時代でしたがNAに移行することを読んでの対応だったと思われます。排気量も上限枠一杯の3,500としたのは当然でしょう。
開発の陣頭指揮を執ったのはPino D'Agostinoでした。彼はシリンダーブロックを72度の角度で鋏むV型エンジンを構想していました。このエンジン形式が最も最良だと考えていたようで、当時のフォーミュラーカーに搭載されるV8エンジンに取って代わる新しい時代のエンジンと位置付けていました。
72度という角度は中途半端な角度と思われるかも知れませんが、4サイクルエンジンは吸気と排気の2回転中に1回爆発します。つまり720度で1回の爆発ということになります。それを気筒数で割った角度が最適なバンク角となるのでV10エンジンは72度が理想的な角度となるのです。
85年11月に開発は正式に認可されたこのエンジンの開発スピードは極めて早く、86年7月1日には最初のテストが行われています。ルノーは翌年、ホンダは1ヶ月後にやはりV10エンジンを発表しています。

164pro06.jpg

このテストでマークした成績は583hp。この結果に満足したAlfa Romeoはこのエンジンを熟成させていく方向で決定します。このエンジンで培った技術は現在のF1にも基礎技術として使用されています。
このエンジンのシリンダーブロックは高密度シリコンが配合されたアルミ合金製でピストンにもこの合金が使用されていました。この当時はまだ高価なチタンがふんだんに使用されコンロッドなどの強度部品以外にもバルブやタペット、フライホイールまでもがチタニウム合金が奢られ、かなりのコストが掛かっていたに違いありません。このバルブは当初1気筒当たり4バルブでしたが後に5バルブに変更され、最終的な出力は620hp/13300rpm、39kgm/9500rpmに及びます。
しかしリジェとの契約が立ち消えになってしまい、Alfa RomeoがF1にエンジン供給するというプロジェクトも夢となってしまいました。行く先のなくなったV10エンジンは暫くの間、まるで忘れられたかのようにワークショップの一角に捨てられるままだったのです。

トコロがFIATの最高幹部たちは新しいプロジェクトにこのV10エンジンを使おうと考えます。それがF1のサポートレースとして企画されたプロカー世界選手権だったのです。
それはかなり規制がゆるいもので、車体がベースとするロードバージョンのモデルと同一の形状なら、重量が750kg以上で、3500cc12気筒以下ならナンデモアリ、というレギュレーションだったのです。またこのレースの側面には多くの自動車企業をF1のエンジン供給に巻き込もうという狙いがありました。市販車とほとんど同じ車体に各社のハイテク技術が導入され戦績がよければ販売拡大へのより大きな広告効果があるから、様々なメーカーが参加するだろうと考えていました。
Alfa Romeoが(FIATというべきか)プロカー世界選手権に参加する決定をしたのも、恐らく宣伝効果を狙ってのことだと思われます。何故ならF1ではイイトコロを見せられず拡販に繋がらなかったからです。そのためベースカーは当時ツーリングカー選手権などのレースに参戦していた75ではなく新型車164がベースに選ばれるのです。ベースとはいっても形ばかりで、見ての通りエンジンが後部座席の場所に鎮座していて、ボディーはこのように分割式でしたから中身はほとんどGPカーです。メーター廻りはさり気なく164の面影を残していますし、空調なんかない筈ですが、送風口が残されているトコロなんか笑えます。

164pro01.jpg
164pro02.jpg
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164pro09.jpg

Alfa Romeoはエンジンこそ完成させていましたが、そのエンジンに耐えられる新しいシャシーを開発しなければなりませんでした。そこで開発はF1時代の盟友ブラバムとMRD(Motor Racing Developments Ltd)に委ねられます。
シャシーはハニカム構造のノメックスアルミ合金にカーボンパネルを貼り付けて構成し、いわば1976年のBT45以降に培った複合素材による技術の集大成でした。

164pro05.jpg
164pro07.jpg
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1988年9月までにエンジンが15基、ボディーは2台完成しました。Alfa RomeoはイタリアGPでこの164 V10 PRO-CARをデヴューさせる心算でした。この完成したばかりのマシンをテストすべくバロッコのプライベートコースにに持ち込みGiorgio Francia にテストを依頼します。ここではおよそ10日間テストが行われたのですがその時にマークした性能は、最高速度340km、0-400mは僅か9.7秒、0-1000mは17.5秒という記録を叩き出して、しかもそれがタマタマではなく常に引き出せる性能であることを証明しマシンの完成度は上々だったのです。
このテストを終えた数日後の1988年9月9日、イタリアGPの開催されるアウトードロモ・ナツィオナーレ・モンツァに持ち込まれます。このサーキットは高速サーキットで知られ、164 V10 PRO-CARをデヴューさせるには持って来いの舞台でした。そして衝撃的なデヴューを果たすのです。
ドライバーはブラバムの契約ドライバーだったRiccardo Patreseでした。ここでも164 V10 PRO-CARは最高速度329km、0-100km/h2.4秒をマークし、これはF1のパフォーマンスに手が届くほどの性能だったのです。市販車のようなボディーを持つ164 V10 PRO-CARがこれほどのパフォーマンスだったのは、パワーも然ることながら、そのボディーデザインのエアロダイナミクスが優れていたことも大きく寄与していました。
この時の走行シーンがYou TubeにUPされていますのでリンクしておきますね。

トコロがAlfa Romeoがプロカー選手権に名乗りを上げたものの、いつまで経っても他のメーカーからは参加する兆しはありません。Alfa Romeo以外チャンピオンシップのマシンを開発するリスクや経費を出そうというメーカーはなかったのです。プロカー世界選手権が始まることはありませんでした。
FIAはプロカー世界選手権そのもをお蔵入りしてしまい、折角完成した164 V10 PRO-CARもそのパフォーマンスを披露する場所を失ってしまいます。その後、ツーリングカーのレースはグループAのSuper2000規定が用いられるようになり、いよいよ3,500ccのエンジンは使いどころがなくなってしまいます。

どうしても15基も作ったV10エンジンの使いたいAlfa Romeoは、91年にWSPCの規定が変更されNA3,500ccのみとなることを受けてプロトタイプカーにこのエンジンを載せようと計画します。

ワルアガキもココまで来ると立派だ(笑)

元々この規定変更はグループCのエンジン規定をF1と同じにすればグループCに参戦するメーカーがF1にもエンジンを供給しやすくなるので、グループCもF1も活性化するだろう、というFIAの目論見でしたが、結果は全く逆でそれが裏目に出てWSPCに参戦していたメーカーの多数撤退を招いてしまい、翌年にはやっと開催できたという具合でレースそのものが消滅してしまいます。
Alfa RomeoはSE 048というV10エンジンを載せたマシンを完成させていましたが、レースが消滅しては走る場所がありません。このマシンも日の目を見ることは叶わずお蔵入りとなってしまうのです。

SE0481.jpg
SE0482.jpg

現在、この2台はAlfa Romeoの本拠地アレーゼにあるMuseo Alfa Romeoに保管されています。164 V10 PRO-CARは1度サーキットを走っていますが、SE 048は冗談抜きにお蔵入り(笑)
因みにこの博物館、撮影はOKらしいですね。



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この記事のコメント
来ましたね
確かにこんなモデルをリリースしてくれるだけで文句は言えませんよね(笑)
とはいえ、2台GETしてその個体差の大きさといったらもう悶絶モンでした(爆)
やっぱり一番不思議なのはあのライトです、何でああなっちゃったのか分からないんだよねぇ(苦笑)
2009-01-26 Mon 18:49 | URL | こ~んず #JalddpaA[ 内容変更]
こ~んずさん
>こんなモデルをリリースしてくれるだけ
全く持ってそう思います。たくさん売れるとはどうしても思えませんが、どうしても欲しい人には欲しい商品です。
僕がサラリーマンを辞めたのはその「勘所」を作る自信があると思ったからです。

>あのライトです
すごく残念ですね。他の部分は目が潰れるけどココだけはナントカして、って感じです。
とりあえずディテールアップパーツを考えてみます(笑)
2009-01-26 Mon 21:01 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
ところで
↑のV10エンジン写真、いいですね。こういうミニチュアも発売されたらマジ欲しいですね。1/8くらいの。

>僕がサラリーマンを辞めたのは
なるほど。そういう方向ですね。
2009-01-27 Tue 22:27 | URL | kouichi #-[ 内容変更]
kouichiさん
>1/8
でかいっスねぇ(笑)
そのスケールなら本物を取材しないとダメでしょうね。
1/43ならディテールアップ用のエンジンミッションパーツはできそうですが。因みにこの164 V10 PRO-CAR用リアウイングはエッチングで直したモノを作ってみようかと思います。あと少し大き過ぎるミラーとライトカバーのセットなんかどうでしょう?

>そういう方向ですね
そう、そういう方向です。
つ、つまんないですか(苦笑)
2009-01-28 Wed 17:27 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
>kouichiさん
>1/8
出たら欲しいけど凄い価格になりそうですね(笑)

>IKEAさん
>つ、つまんないですか(苦笑)

マニアックなIKEAさんですからニッチな市場を上手に開拓した商売をしていただきたい(爆)

2009-01-28 Wed 19:03 | URL | こ~んず #JalddpaA[ 内容変更]
おまけに

この1/8のV10で回ればもっとスゴイですね。普通の大きさのタコメーターがついたセットで。この前Youtubeか何かで飛行機模型エンジンのV型12発の運転やってました。マジで欲しいです。こ~んず鉄工所で旋盤とドリル駆使して作って売りましょう。
 
IKEAさん
>ニッチな市場を上手に開拓した商売をしていただきたい(こ~んずさん)
私もそう思います。期待してますよ~。
面白いネタあれば内緒で教えてくださいね。
2009-01-28 Wed 21:58 | URL | kouichi #-[ 内容変更]
こ~んずさん
>凄い価格
ある意味、凄い価格設定じゃないと無理ですよね。

>ニッチな市場
が今後のテーマとなると思います。個人の場合、大手に生産力では到底敵いませんから、如何に小回りが効くかはかなり重要です。
2009-01-29 Thu 19:42 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
kouichiさん
>回ればもっとスゴイ
マブチのモーターなら可能かとw
まともな内燃機は……普通に無理ですって。

>面白いネタ
僕がやる気がないのでひとつ披露すると「名簿屋」という商売は最近のニッチですかね。個人情報なんぞいうバカバカしい意識のお陰で生まれた商売ですが、この業界はセキュリティーを得意としてきた会社が参入した新たなニッチビジネスだと思われます。
2009-01-29 Thu 19:48 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
う~ん
>名簿屋
企業からして欲しいネタでしょうが、ちとヤバイ商売ですね。
やはり夢を売りましょう。ニッチの世界の夢はシリーズ化すれば広がりますよ。 現在は夢を買う余裕はないかもしれませんが、買わなくても夢の商品は心の支えになりますからね。
2009-01-29 Thu 20:27 | URL | kouichi #-[ 内容変更]
けっこうこういうのもね
http://www.youtube.com/watch?v=mutb7KgA9NM
サイドバルブも12系統あればいい音しますね。
2009-01-29 Thu 20:46 | URL | kouichi #-[ 内容変更]
kouichiさん
>ヤバイ商売
ではないようで…(笑)
4年くらい前かな。毎年、卒業生の名簿を受注していたのですが例の個人情報保護法で作らない、ということになったんですが、卒業生からは名簿が欲しいという要望が多くて結局、セキュリティー会社がそういう仕事を請けるようになって仕事を取られたんですね。
その時は「なるほど」と感心しました。因みにメジャーな会社でしたよ。

>夢の商品
大事なことだと思います。
上記のビジネスは僕が全く興味がないのと専門外のスキルなので出来るはずもないんですよね。
好きなことで自分のスキルが整っていれば、いくらでもビジネスに繋がると思います。

>いい音
ですね(笑)くやしいけど…
コレ作ろうと思ったら設備がソコソコ掛かりますから、ムリですね(キッパリ)
旋盤とフライス盤は確実に必要ですよ。空冷エンジンならチャレンジも出来ない訳ではないけど、水冷だったら尚難しいでしょう。
2009-01-30 Fri 07:56 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
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