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ジキルとハイド(ロ?)
2008-02-02 Sat 12:38
大変難しい注文を出されてしまいました。
Xantiaのturbo 4x4です。
それもそのはずで、ZXの時と違ってメディアからの情報が丸でないからです。少なくともこのクルマに関しては日本人が書いた記事にはヒットしませんでした。
今回お送りする内容は、普通のXantiaが「ジキル博士」だとすると「ハイド氏」に相当するものだと思います。

このマシンを紹介するにはヨーロッパのラリー事情について説明する必要があると思われます。
我々が良く知るWRCはその名前が示すとおり正に世界を股に掛け戦われるレースです。このWRCは日本メーカーも参加している事からメディアの露出率も高く情報も多くなっているのですが、その下のマイナーレースになると途端に情報がなくなります。まあ、国内のラリーだって専門誌以外では載らないか載っても小さく扱われる事なので大差はないかも知れないですね。
ヨーロッパでも同様な各国単位で行われるラリーとヨーロッパ・ラリー選手権があり、シトロエンもパリ・ダカのような大きなレース以外にこういったレースに参加していました。
BXもWRCのような大きなレースにこそほとんど参戦していませんが、4x4 TURBO 16 STやRCでラリークロスやツーリングレースなどに常時参戦。4気筒1721ccDOHC16V+ターボチャジャーで380psのエンジンを搭載。特にラリークロスでは元々BXの素性が良かったらしく戦闘力は高かったようです。91年と93年にはチャンピオンになっています。

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bxturbo1.jpg


この93年はBXがワークスとして最後の年となり、Xantia Turbo 4×4 Rallycrossに引き継がれます。Xantiaは93年から2000年までの間ラリークロスの主力として使われデビューの93年に早くもヨーロッパチャンピオン、94年と95年にはフランスチャンピオンになっており数々の勝利をワークスにもたらす事となりました。
エンジンはCTターボエンジンだと思われがちですが、Xantiaのものではなく、BXに搭載された4気筒コンペディションエンジンを1905ccに拡大して搭載され、その出力は550psに達しました。その後97年には650psまで出力を引き上げられ、最終版となる99年では排気量を1998ccに拡大しほぼ700psを捻り出していました。画像を見てお分かりの様に、エンジンは横置きではなく縦置き!にレイアウトされていました。
初期の94年まではオーバーフェンダーは控え目なものでしたが、その後トレッドがどんどん拡大され車体重量が増大してきました。戦闘力を回復する為、何とハイドロサスペンションをコントロールする高圧ポンプやアキュームレーターなどを降ろしてしまいます。軽量化ですね。しかし、あのシトロエンがハイドロサスペンションから通常のサスペンションに切り替えるはずはありません(笑)
どうやってコントロールするかというと、レースの直前に外部ポンプをハイドロシステムに接続し、車体の高さをセットします。そして、システムが閉じられレースの間は一定の圧力を保ちハイドロが機能するようになっています。装着されたスフィアにはガス圧が管理できる機能があり、また個別に接続できるようになっていました。つまり長丁場のレースでは燃料補給やタイヤ交換に加えサスペンションの圧力チェックも行っていたと考えられます。

そこまでやるかシトロエンですね(苦笑)

この時代まではハイドロの可能性を本気で試そうと思っていたとしか思えません。ちょうどこのXantiaではハイドラクティブⅡを搭載した時期であり、次世代サスペンションとしてアクティバが投入され、アクティブ・サスペンションとしてのハイドロシステムの完成を急いでいた時期です。その本気さが、このXantia turbo 4x4 Rallycrossにも表れていたように思えます。残念な事に、アクティブ・サスペンションとしての開発はXantiaのみで終わってしまいました。コンペディションモデルでもハイドロは採用されなくなり、市販車においても嘗てのハイドロへの夢、というかシトロエンの持っていた理想主義は影を潜めたように思え寂しい気もします。
その後、次世代WRカーであるXSARAに主力を明け渡しましたが、グループB時代の面影を残すレーシングカーとしてXantiaは特別印象深いものでしょう。

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さて97年のパリ・ダカのレギュレーション変更を受けシトロエンは主戦場を国内ラリーやヨーロッパ・ラリークロス・チャンピオンシップに移した為、更にそのウェイトが高まってきました。
では何故日本では採り上げられないようなレースにシトロエンは参戦し続けたのでしょう。
実はヨーロッパでのラリー人気は大変高いのです。とりわけフランスにおける人気は格別でF1をも凌ぐとさえ言われます。しかも戦績が販売に大きく響くとあって各社が鎬を削る場でもあります。当然Xantiaの場合もActivaやV6モデルを売る為のものでした。従い、フランス車のスポーツヴァージョンはラリーやツーリングレースのイメージと直結した所があり、日本人が考える「フランス車像」よりずっと走りの印象が強いと言えるでしょう。一旦、WRCから撤退したプジョーでさえF2クラスに306Maxiを投入し、99年には206WRCで完全復活したくらいです。

面白い事に、調査を進めているとXantiaをベースにしたクーペがPSAで検討された事が分かってきました。93年当時の事でXantiaはもしかするとクーペがヴァリエーションに加えられデビューする可能性が高かったようです。エンジンはXMのものが搭載される予定でスポーツヴァージョンとして開発されていたようです。Xantiaは最初から本当にV6エンジンを前提とした設計が行われたとされる根拠はこれではないかと思われます。しかし結果的にPSAはXantiaではなくその後に登場する406に開発ノウハウを委譲します。

今回、貴重な動画としてCGの動画をUPしました。著作権の事もあってUPは差し控えようかと考えましたが、サイズとクオリティーを落としてUPする事にし、原版が欲しい方は是非バックナンバーでご入手頂ければと思いUPに踏み切りました。




別窓 | Xantia | コメント:5 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント
素晴らしい!!
よくここまで調べましたねぇ、画像も含めて執念です(自分で頼んだくせに・笑)
Xantiaの側でも中身はまったくの別物なのが良く分かります。
クーペバージョン、もし出ていたらかなりカッコ良くなったんじゃないかと想像しちゃいました(笑)
デザインスケッチだけでもいいから見てみたいですよねぇ。
2008-02-02 Sat 13:25 | URL | こ〜んず #JalddpaA[ 内容変更]
>執念です
正に(笑)
恐らくネット上にある日本語データとしては初ではないかと思われます。
アクティバが4WDで出てくればもうチョット情報もあったかも知れませんが、何しろ日本での認識ではXantiaはモータースポーツと無縁ですから。

>デザインスケッチ
ありますよ。
これがなかなかカッコイイ。ベルトーネのデザインスケッチは何れ纏めてやりたいと思ってます。
2008-02-02 Sat 21:33 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
>ネット上にある日本語データとしては初

だと思います、私も随分探しましたがここまで詳しい解説をしているのは出てきませんでしたから。

>ベルトーネのデザインスケッチは何れ纏めてやりたい

楽しみにしています~♪
2008-02-03 Sun 12:56 | URL | こ〜んず #JalddpaA[ 内容変更]
素晴らしい!エグザンティアにこんなモンスタ-が開発されていることすら知りませんでした。エグザンティアのク-ペがあれば、美しい車だったでしょうね。ベルト-ネのスケッチ是非見てみたいです。
2008-02-04 Mon 14:17 | URL | AKIRA #SFo5/nok[ 内容変更]
>こ~んずさん
海外サイトでないと情報が全くなかったですね。事実上、日本の雑誌でも情報が皆無に近かったです。新たなデータが出てくれば加筆すると思います。

>楽しみにしています~♪
暫しお待ちを(笑)


>AKIRAさん

>モンスタ-
本当にモンスターですね(笑)
Xantiaにこういうイメージが重ならないのが日本なんですが、アクティバなんかは本国じゃかなり弄られるクルマだったようです。

>美しい車だったでしょうね
出せば良かったのにねぇ。スケッチを見る限り完成度が高かったようですから。
2008-02-05 Tue 07:17 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
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