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Project X1挑戦者たち(笑)
2008-02-10 Sun 16:55
PSAがBXの後継モデルとして研究を開始したのは様々な資料から1887年に始まったようです。ご存知のようにその後継モデルがXantiaです。このプロジェクトでは単に「X1」と呼ばれプレス用資料にもX1の名前しかありませんでした。CX以来のシトロエンは車の名前に必ずXが使われていますが(それ以前はS)西洋ではXは未知なる物という意味があるので開発コードに使われる事がしばしばです。
で、Xantiaの場合もXが入っています。Xantiaとは小川の光を意味するXanthos{クサントス}を語源とする造語で、日本ではエグザンティアと表記されるのですが「クサンティア」の方が近い発音のようです。そういえばSAXOは日本での名前が「シャンソン」なんていう変な名前で出されたんですが、コレは名前の中に「クソ」なんて入ると不味いからから、という話があります(笑)

話を戻しましょう。
X1で始まったXantiaの開発ですが、デザインはベルトーネとされています。これは確かに間違いではありません。しかしデザインの検討がベルトーネ一社でされたのではないのです。1997年に始まったBXの後継車の研究は3つのプロジェクトで始まっています。PSAとシトロエンの社内デザインとベルトーネによる社外デザインの競作という形を採っています。
最初に承認されたデザインはJean Giret(ジーン・ジレット)の手によるデザインでした。

xanpro7.jpg


ご覧頂くと良く判るのですがリアのスパッツが残されBXの面影を残したデザインです。全体的にズングリしていて良い意味でも悪い意味でもシトロエンの匂いがします。
ベルトーネの線で行こう、という所まで決定していながら実は3つのプロジェクトという事はかなり後まで変わらなかったようです。ベルトーネの方ではDan Abramson(ダン・アブラムソン)のスケッチに切り替えて最終的にはこのデザインが採用される事になってもPSAもシトロエンも開発を続けていました。XMがベルトーネの案で決定されるとPSAもシトロエンデザインセンターもとっとと研究を止めたのとは大違いです。
xantia000.gif

yellowxantia.gif

上2点Dan Abramsonのスケッチ

下の写真を見れば一目瞭然ですが、3社とも完成度の高いモックアップを製作しており、Jean Giretのモノでさえ1/8の検討モデルが製作されています。
xanpro1.jpg

PSA案
xanpro3.jpg

シトロエンデザインセンター案
xanpro2.jpg

ベルトーネ案
xanpro8.jpg

Jean Giret1/8検討モデル

どうしてこのような方策を採ったのかはハッキリしませんが、もしかすると外部デザインから(この場合ベルトーネ)と決別し内製デザインへ移行する為のスタディーとして行ったのかも知れません。シトロエンとベルトーネの関係はかなり古く2CVのデザインにも関ったとされています。社内デザインとされているモデルにも何かしら関係してきたのですが、シトロエン自体の台所事情が芳しくなかった事が社外デザインとの決別を模索しなければならなかった原因になる事は容易に想像できます。
結果的にベルトーネのデザインを採用している訳ですが、シトロエン単独のデザインやPSAのデザインで発売される可能性も十分にあったでしょう。
それとXantiaがXMとZXの中間を埋めるモデルでありこの2台がベルトーネのデザインだった事も影響しているでしょう。デザインコンセプトを統一する事が第一義にあり、3台のモックアップが全体的に酷似している事から社内デザインもそのコンセプトでデザインを行ったと推測されます。

しかしベルトーネのモデルは殆ど市販モデルと変わらないフォルムとディテールに達しており、このまま発売されたと言っても過言ではないと思います。
xanpro11.jpg

xanpro12.jpg

xanpro13.jpg

当時の雑誌に発表されたX1の予想図

内装のデザインは紆余曲折があったようでサテライトスイッチやステアリングのスポーク数などで相違が見られます。
シトロエンデザインセンターのものではXM風のワンスポークのステアリングにサテライトスイッチが付いたデザインがかなり後まで残っていたようです。BXでもGSでもこういったキワモノ的な部分が常にあるのは如何にもシトロエンらしいのですが、どのモデルもその後普通になっているのに全く懲りていません(核爆)
xanpro6.jpg

ベルトーネのモノはステアリングこそ一本スポークですがその他はほほ生産車と変わらないデザインです。良く見るとダッシュ上にメーターらしきものがあるのですが、これは情報集中表示パネルだったようです。これくらいの遊びはあっても良かったかも知れません。
xanpro5.jpg

下のスケッチではステアリングは3本のスポークに変更され、ダッシュ上面も見慣れたものとなっています。最終的には3本ではなく4本スポークのステアリングで発表されていますがここにオーディオコントロールが装備されていて最後までサテライトスイッチに拘るシトロエンが垣間見られます。
cocpit00.gif

この室内はアクティバのものですが、シフトレバーの前方に見慣れないスイッチがあります。もしやこれは悪名高い「暗証テンキー」ではないでしょうか?XMで不評だったのにまたやってしまったね。
全く懲りてませんねシトロエン(苦笑)
dashboardActiva.jpg

93年、Rennes-La Janais工場で生産されたXantiaが世界に旅立って行きました。
64-Xantia-600.jpg

68-Xantia-kar600.jpg

70-Xantia-d-600.jpg

さて、95年からラインナップに加わったブレークですが、ブレークは南西フランスにあるHeuliez社で開発製造されました。元々この会社は他社からパーツを提供してもらいスペシャルモデルなどを生産するニッチ的な役割の会社でフランス以外にもドイツのメーカーなども手掛けています。シトロエンとは1936年から関係があり、DSのカブリオレもこのメーカーが生産していました。プジョー205ターボ16を作っていたメーカーという方が分かり易いかも。
ブレークはシトロエンの工場から提供される部品をHeuliez社でオリジナルのボディーパーツなどで組み立て直接ディーラーに納品するシステムになっています。
1995年から2000年までの5年間にHeuliez社で147,620個の部品がXantia Breakの為に生産されたと記録にあります。
break00.gif

break0.gif

xan_heuliez2.jpg

日本には未導入だった珍しいグレードという事でBuffalo 4x4もご紹介しておきます。
これはBreakのヴァージョンでしてHeuliez社が開発したへヴィーデューティー4駆モデルです。エンジンは115馬力を発生する2.1リッターのディーゼルターボを搭載し、トランスミッションとシャシーは英国にあるFDR-RICARDO社が開発。サスペンションは勿論ハイドラクティブサスペンションでした。
4輪への伝達にはリアにトルセンデフ、センターにビスカスLSDを備えるものでした。
内装もベーシックのXantiaと随分赴きが異なり派手です。
buffalo2.jpg

buffalo3.jpg

buffalo1.jpg


最後に計画され実現しなかった2つのヴァージョンをご覧頂きたいと思います。
ひとつはクーペです。
大変、完成度が高く即生産ができる状態までできていたと推測されます。しかしシトロエンは自社ブランドにそういう顧客、或いは市場が形成されていないと判断して、生産のGoサインを出しませんでした。結局、ここで培われた実験やデザインはプジョー406クーペに引き継がれる事となるのです。
xantiacoupe.jpg

xancoup1.jpg

xancoup2.jpg


そしてもうひとつがカブリオレです。ブレークを生産するHeuliez社が提案したもので、このカブリオレは幌ではなく収納式のハードトップを備えていました。結局これも日の目を見る事はできず、プジョー206CCでやっと完成するのです。
xantia_hardtop.jpg

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この記事のコメント
すげーっ!!!
よくここまで調べましたねぇ・・・
この記事は間違いなく日本一だと断言します!

暗証テンキーなんか付いてるんですねぇ、確かに懲りてない(爆)
Buffalo 4x4に関してはまったく知りませんでした、いやぁ、勉強になったなぁ。
凄過ぎてアングリしちゃいましたよぉ・・・
貴重なデザインスケッチやモックアップも(日本では)ココ以外では絶対見られませんよ!
何か宣伝したくなっちゃったなぁ(他力本願の極み・核爆)
2008-02-10 Sun 17:53 | URL | こ〜んず #JalddpaA[ 内容変更]
>こ~んずさん

>日本一
おっと、鼻が2cmほど高くなってしまいました(核爆)
訳すのが大変でしたが、やはりマニアの国と呼ばれるだけあってイギリスのサイトはレアな情報ばかりです。

>暗証テンキー
向こうのカタログが見れたんですが<コイツ>に気が付いてしまいました。笑わずにはいられませんでしたよ、アハハ。

>Buffalo 4x4
たまたまですね(苦笑)
検索中に引っ掛けました。本当、僕も勉強になりました。
以前、調べていた資料と今回のリサーチでXantiaの開発がどのようなものだったか、やっと体系化できました。

>何か宣伝したくなっちゃったなぁ
いっ、いいですかっ!(完全他力本願←遠い目)
もう少し、租借したかった部分もありますね(そこが心残りか)
2008-02-10 Sun 18:39 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
自慢してOK!
もう今回の記事はホントに良かった、文句の付け所がないくらい。
映像や雑誌媒体でこういった視点からエグザンを書いた記事を見た事がありません。
14日アップの記事で紹介しちゃってます(笑)
お世辞ではなく関心しちゃいましたよ。
2008-02-10 Sun 19:36 | URL | こ〜んず #JalddpaA[ 内容変更]
>文句の付け所がないくらい。
苦労した甲斐がありますねぇ(笑)
当時のシトロエンとプジョーの力関係がこんな部分で見れた気がしますね。

>14日アップの記事で紹介しちゃってます(笑)
あ、ありがとうございます~
でもさ、見に来た人が「変態」と思う事に1票なのですが(苦笑)

>関心しちゃいましたよ。
僕、コレ欲しくなっちゃいましたよ~ではなく?(核爆)
159も政治的な部分が絡んでのリリースですが、Xantiaでもそれがあったように思うんですよ。それが見せられただけでも良かったと思います。
2008-02-11 Mon 21:14 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
・・・
>見に来た人が「変態」と思う事に1票

・・・確かに(核爆)

>僕、コレ欲しくなっちゃいましたよ~

(^^; うっ
見透かされてる・・・(苦笑)
2008-02-12 Tue 10:24 | URL | こ〜んず #JalddpaA[ 内容変更]
こうして、デザイン案を並べてみると、ベルト-ネ案の絶妙なプロポ-ションが際立っていますね。シトロエン案はCピラ-を消したかったんでしょう。シトロエンのアイディンティティ-拘りすぎているのかもしれません。Buffalo 4x4はインテリアが良いですね。一部アルミ?のインパネもオレンジ色のシ-トもカッコイイです。ク-ペはリヤクォ-タ-廻りはW124CEを思わせる感じですが、このサイズで出ていたらかなり魅力的なものだったでしょう。それよりもカブリオレは良いですねぇ~。幌を上げてもさぞエレガントなことだったでしょう。セダンがどんどん大型化していっている中でエグザンティアの使い易いサイズは本当に重宝します。ベルト-ネ社もどうなってしまうのでしょうか?残念です。
2008-02-13 Wed 11:45 | URL | AKIRA #SFo5/nok[ 内容変更]
>こ~んずさん

>見透かされてる・・・
当然です(核爆)


>AKIRAさん
三者三様で面白いですね。
ベルトーネの案は完成度が高いのは当然として、PSAのデザインも捨て難いものがあります。

>Cピラ-
シトロエンですから(笑)

>カッコイイです。
派手ですよね。Buffaloという名前にピッタリな色です。

クーペもカブリオレも出ませんでしたが、プジョーで全て実現化しています。これってPSAが購入者層の分類をこういう目で見ていたからですね。出てれば素晴らしいクルマだったと思えるだけに惜しいですが。

ベルトーネもそうだけどピニンファリーナもどうなるかわからないですよ。
2008-02-14 Thu 06:33 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
永遠のベストカー
お久です。広熊です。

愛車だったXantiaがお題なら書かずにおれません(笑)
トータルの出来なら、広熊にとって未だにベストカーですね。
長距離で乗って疲れないし、トータルで速いし。もちろんハイドロだし。
デザインも衰えません。

残念ながら浮気性で手放しましたが、
また乗りたい車ですねぇ、Xantiaって。
2台体制で持っているIKEAさんが羨ましい~
2008-02-15 Fri 01:55 | URL | 広熊 #-[ 内容変更]
>広熊さん
お久しぶりです。

>乗りたい車ですねぇ
シトロエンのクルマって手放した後に何故かそう思わせますね(笑)
本当に良いクルマっていうのはそういうクルマなのかも知れません。
長距離はシートとハイドロのお陰で疲れませんし(バネもですが)
2008-02-15 Fri 07:00 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
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