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159は是か非か
2008-03-09 Sun 10:09
2005年2月11日に日本国内で販売を開始したAlfa Romeo 159は販売が2年を超えました。ディーラーで伺った話でも「芳しくない」というお話でした。グランデプントが売れてくれたお陰で助かっている、という何とも寂しいお話でした。
510さんこ~んずさん のお二方が素晴らしいレビューを書かれているので、僕如きがイロイロ言うような事はないのですがお二方があまり触れなかった視点から159を見てみたいと思います。
159_01.jpg

159_02.jpg

159_03.jpg


先に結論から言っちゃうと結局159って“Alfa Romeo”だなとなってしまうのです。これはお二方と全く正反対の意見のようですが、ご両人の記事を良く読むと記事の行間にそれが見えるので注意が必要です。

酷評となっているのがパッケージングですが、確かに一廻りどころか二廻りほども大きくなった159ですが室内の広さはそれに比例していません。室内は実際に乗ってみても156より少し広いかなと感じるレベルです。ボディサイズの寸法は4690×1830×1430mm、ホイールベースは2705mm。先代156に比較し、全長255mm、全幅65mm、ホイールベースは110mm拡大し、全高は15mm低くなり、幅が広くなったと言われたBMW3シリーズよりも幅が広く、同じクラスのライバルと比較しても一番大きいボディーとなっています。
リアの居住性は顕著でレッグスペースは程々ですがヘッドクリアランスは低いルーフと角度の立ったシートバックの所為で不足気味です。先代156のマクファーソン・ストラットからマルチリンクになった事で上下方向にスペースを取られた結果、トランクと室内との取り合いの妥協案がこの角度だったと思われますが、比較的小柄な僕がそう思うのですから他の方々が狭いと思うのは無理からぬところと言えるでしょう。Xantiaのリアシートが秀逸なのでそう感じさせる要因でもあるのでしょう。またリアスペースの居住性が気になりだしたのは156ではリアのドアノブが隠され、前席主体或いはパーソナルな使われ方を前提とした事とユーザーがそれを理解していたからです。しかし159はドアノブを隠しませんでしたから、どうしても「セダン」という視点で評価を下してしまうのです。156の狭さはある意味「確信犯」と思われるので、気にならないばかりか居心地の良ささえ感じてしまうのに159では前席のラウンドまでもが気になる存在となってしまいました。ひとつ良いなと思ったのがペダルとステアリングの位置関係が所謂イタリアンスタイルではなく日本人でもしっくりくるポジションで位置決めできるようになった事。今までのペダルに合わせるとステアリングが遠いというテナガザルになってしまう違和感が薄れていました。
と、大きさばかりが目立つ159ですが(笑)どうしてこのサイズになってしまったのでしょう。
ご存知の通り、159のシャシーとエンジンはGMのものですが、このシャシーはGMヨーロッパがSAABと共同開発したものです。それまで使っていた“イプシロン・フォーム”に代わる新世代プラットフォーム“プレミアム・フォーム”が基礎となっておりこのシャシーは同じグループ内のOPELベクトラのシャシーとしても使用されます。しかしこのシャシーは共同開発していたSAABが採用を取り止め、FIATにしてみればAlfa Romeo専用のプラットフォームになってしまいました。FITA自身には大き過ぎて使える車種がなかったのです。しかし当初の予定より使用する車種が少なくなると莫大な開発費をペイできないので何とか捌かなきゃならない。そこで目を付けたのがマセラーティだったのです。単独で業績が伸びているFerrariはFIATグループ内で唯一の優良企業でしたが連結子会社のマセラーティが赤字で足を引っ張っていて、Ferrari単独の株式上場には邪魔な存在だったのです。しかも親会社のマセラーティに“プレミアム・フォーム”を使われそうになっているし

そんなら切っちまえ

そんなこんなでマセラーティはFIATの子会社にさせられAlfa Romeoと兄弟会社になってしまったのです。途中までFerrariのシャシーで発売される予定だったマセラーティクーペ/スパイダは、こんな台所事情から突然159の兄弟車になってしまいました。
マセラーティ、カワウソスギル…

JTS_motore.jpg

metro principale

submeter.jpg

Controllo leggero

Vada in crociera controllo

Controllo di tergicristallo


ウインカーレバーやその下のクルーズコントロール、そしてワイパースイッチは操作が難しそうです。こういう変なスイッチを採用するのはAlfa Romeoの伝統と言えるでしょう。
そして気になったのがコンピュータの位置です。エンジンのすぐ横に配置しています。筐体をアルミのケースで包んであり熱害が出難くはしてあるそうです。エンジンルームの方がメンテナンスや水害に遭い難いので、との説明でしたが心理的にはエンジンからもう少し離して欲しいです。
ここ最近の話だと思うのですが、クルマの不具合がコンピュータのソフト破壊によるケースが増えた事によって故障の解析はコンピュータの解析が必須になりつつあるというトレンドにより、エンジンルーム内にメインコンピュータを配置する車種が増加の傾向を示しています。

70年代からイタリアでは労働者によるストライキが頻発し、労働意欲の低下から生産能力は低下してAlfa Romeoも例外ではなく経営は逼迫していました。日産との提携で乗り切ろうとして合弁会社「A.R.N.A.(Alfa Romeo and Nissan Automobili)」を設立したものの失敗。86年にはとうとう筆頭株主だったイタリア政府が株を売却するという事態になって、FIATが膨大な債務を引き受ける代わりに僅か1リラで傘下に収まる事になります。当時のFIATはパンダとウーノのヒットによって経営が安定した時期でしたが90年代に入るとクロマのヒット以来、成功するモデルがなく急に経営状態が悪化します。1997年、低迷の兆しを見せ始めたグループの梃入れをにらんだイタリア政府が、新車買い替えに奨励金制度を設けた結果、輸入車の売上を伸ばすこととなり更にシェア低迷が加速。2000年3月、GMと株式の持ち合いによる資本提携を結び、FIATの株式の20%をGMに譲渡します(FIATの所有するGM株式は5%)。このとき、「GMは将来、フィアット株のすべてを買い取る」というオプションを盛り込んでいました。
更に経営資源を本業の自動車に集中、戦前から続く鉄道部門をフランス企業、同じく戦前から続きスペースシャトルの部品も手がけていた航空機部門「フィアット・アヴィオ」を国内企業に、ヴェネツィアのパラッツォを地元カジノに売却。長年傘下にあった保険会社の筆頭株主を退き、巨大自動車工場を再開発したビル「リンゴット」の主要部分を手放して企業のスリム化を図っています。この時期は本当に苦しかったようです。
しかし2005年になるとGMから提携を解消され、違約金として15.5億ユーロ(役2200億円)をFIATに支払う事で和解し、更に先に述べた、企業のスリム化で掻き集めた資金を使って開発したニューパンダがヒットしたものだから急に黒字になっちゃった(笑)しかもGMが保有していたフィアット・アウト株も戻ってくるというオマケ付きだったのです。

Alfa Romeoにしてみれば「いい迷惑」だったでしょう。でかいプラットフォームを使わなくてはならないし、キープコンセプトじゃなくてはならないし、エンジンはOPELのアレだし…
その限られた中で最大にAlfa Romeoらしいクルマに仕上げようとしたのではないでしょうか。しかもFIATの資金難で166の後継モデルも出せない事が確実化してきているので159は156と166の実質的後継車になってしまったフシがあります。で散々苦労して発表かという2005年、GMから一方的に提携の解約が通達されてしまいます。これは164の時のTipo4よりショックだったと想像できます。
そんな風に考えていくと159が少し気の毒になってきませんか?
いや、制約が多い中良く頑張ったぞ、とエールさえ送りたくなります。室内もエクステリアデザインもドイツの車じゃこうはならないでしょう。ちょっとワルそうなイメージも健在(笑)「いっそドイツプレミアムカーのユーザーも戴いてしまおう」とも受け取れるパッションすらあります。実のところ、AUDIの内装と見比べると作りはまだまだ荒いところも見受けられます。しかし156の時よりずっと精度が高くなったのは部品のチリが狭くなった事で分かります。
ボディーの拡大と室内が比例しなかったのは北米の安全基準が厳しくなったからだと思われます。ほらスーパーカーもその所為でリトラクタブルライトが使えなくなったでしょ。
Tipo4やTipo3の時もFRからFFに変化したAlfa Romeoが酷評されたことがありましたが、今では立派なAlfa Romeoのクルマとして認知されています。159も10年後には「やっぱりAlfa Romeoだよなぁ」と言われている気がするのです。それに噂のGTAという秘密兵器が控えているからです。正式なアナウンスは出ていませんがどうやら今年辺り出そうです。それもマセラーティのエンジン搭載で。

最後に159の美点をひとつご紹介したいと思います。
リアシートは分割可倒式になりました!
Un_tronco.jpg

他のプレミアムカーではこんなモノは採用しないと思います。さすがイタリア、そしてジュジアーロではないでしょうか?
日本のプレミアムカーを買う層がこんな使い方をするかは疑問ですが、荷物をガンガン積むというラテン人の伝統は引き継がれたようです。

156までのAlfa Romeoが持っていた感性に訴えてくる“情緒性”は明らかに薄れてしまった今のAlfa Romeoのクルマたち。
さてアナタはどう評価するでしょうか?






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この記事のコメント
う~ん
記事の深さに唸ってしまいました(笑)
IKEAさんならではの視点から見た159、とっても勉強になりました。


・・・でも私は買わないな(核爆)
2008-03-10 Mon 23:21 | URL | こ~んず #JalddpaA[ 内容変更]
159乗りましたが、(かなり)薄れてはいますが確かにアルファを感じます。

それにしても私も159レポート書きましたが文才がないのでIKEAさんに比べるとお恥ずかしい限りです。
2008-03-11 Tue 18:05 | URL | LOHAS20 #-[ 内容変更]
こ~んずさん
>買わないな
やっぱり(核爆)

すぐに記事にしなかったのは、1年前の記憶だけに頼るのが不安だったから(笑)だから12ヶ月点検を待ってました。
Alfa Romeoというメーカーはどんなに制約があってもその中で最大限の「自分達らしさ」を体現していくメーカーだ、という結論が今回の記事です。
時代のトレンドにも左右されてはいるでしょうが、それでもどこか他のメーカーとは違う道を模索しているように思えました。
シトロエンも似た様な道なんですが(苦笑)
2008-03-12 Wed 06:40 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
LOHAS20さん
>薄れてはいますが
確かに薄くなっていますね。
出来のいい「大人」に成長したような感があるのですが、ユーザーはソコに着陸点を求めていないと思います。ならば、もっと前面にAlfa Romeoの「らしさ」が出てこないと売れないばかりかブランド力も弱まるのではないでしょうか。
159の最大の問題は以前のユーザーに買って貰うのか、新たなユーザーの確保が目的なのか曖昧になってしまったのが原因のように思えます。

>文才
僕もなくて困っています(苦笑)
どう書いていいものやら、いつも悩んでます。時には書き方によって誤解される事もありますしね。
LOHAS20さんのレポートには僕の書いていない事に触れてあってこれも面白いですね。セダンとワゴン両方インプレッションされてたんですよね。
遅まきながらトラバさせて頂きます。
2008-03-12 Wed 07:01 | URL | IKEA #-[ 内容変更]
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